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【メディア情報】湯あみ着入浴に理解を 乳がん経験者の思い受け開発 共愛学園前橋国際大生ら啓発図る

手術痕などで入浴時に周りの目が気になる人のために、
共愛学園前橋国際大(前橋市)の学生らが中心となり、
入浴時に着る湯あみ着を開発した。
乳がん経験者の意見を取り入れ、使いやすさにこだわり「ゆがすみ」の名称で商品化。
開発を通じ、入浴着への理解が広がっていない現状を知り、
販売を兼ねたクラウドファンディング(CF)で啓発を図っている。(羽物一隆)
 湯あみ着の開発には、同大の学生5人でつくる仮想会社「燈(とぼし)」のほか、
県内の生地、染色、縫製の企業などが参加。
県が昨年度に行った「サウナ・スパ関連商品等開発支援事業」で結成された。
 当初はアトピー患者ら向けを想定していた。試作などの過程で、
乳がん経験者で県立新田暁高校の藤井佳津枝教諭(49)が開発を知り、
「私たちが望んでいた商品」と協力を申し出た。
体の洗いにくさを改善するためスリットを増やすなど、
助言を基に使いやすさを追求した。
 入浴着の利用は、乳がんなどの手術痕を気にせず温泉を楽しめるようにと、
厚労省が理解促進を進めている。
同省が2022年12月に入浴施設やホテル・旅館関係者に行ったウェブ調査では、
着用した入浴を65%が「可能」としたものの、そのうち「周知している」のは34%にとどまる。
「不可」とした理由で最も多かったのは「お客様同士」のトラブルで52%だった。
 昨年2月から入浴着のイベントで啓発に取り組む藤井教諭は
「温泉に入りたくても入れない人がいて、入浴着があればみんなと一緒に温泉を楽しむことができる。
理解されるためにも、まず知ってもらうことが大切だと思う」と話す。
 仮想会社代表の飯塚俊太朗さん(20)は
「乳がん関係者の方々らによる開発の輪がどんどん広がっていって楽しかった。
湯あみ着への理解が広がり、温泉を多様な人たちが楽しめるようになってほしい」と期待を込める。
 CFはcampfire(キャンプファイヤー)で展開し、
湯あみ着を最大半額の1万3500円から提供する。
ほかに、千円から応援可能。リターン品の一部の限定メダルは、
支援の思いを込めて新田暁高の生徒が製作した。
乳がんを啓発する「ピンクリボン月間」の10月に向け、
入浴着の着用が可能な施設の拡大を呼びかけるなど、収益は啓発にも活用する。

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